青木マリduo+(ゲスト:柴田奈穂)2016.2.26

2017年2月27日月曜日

編み物のこと。.

小さな頃から、絵を書いたり、歌ったり楽器を演奏したり、お裁縫したり本を読んだりするのが好きだった。
今でも、基本は変わってない。
ただ、25才くらいになって弾き語りを真剣にやり始めてからは、他のやりたいことにはあんまり力を注がないように、特に子どもが生まれてからは、時間をやりくりして集中して音楽と向き合うようにしている。だから、絵を描いたり、その他のことはできるだけ封印して手を出さないようにしてるとも言えるんだけど、「趣味」として続けているのが「編み物」かもしれない。
これは、子どもが生まれてからやり始めたものだから、より一層自分の中では「趣味」という位置づけが明確なのかな。

最初は、子どもを授かったとき、なんとなく編んでみた編みぐるみから。
図書館でたまたま見かけた手芸本を参考に、かぎ針でよくわかんないなりにやってみた。
母がかぎ針編みが得意なので、テキトーで大丈夫だってことはなんとなくわかってた。
二人目の子ども(娘)がカエル好きで、ここ最近の誕生日プレゼントには必ずカエルの編みぐるみをリクエストされて何体か編んだ。コツがわかったので編み図なしのオリジナルで大体思った通りの形ができるようになって、結構楽しい。
上の息子にも、大好きな飼い犬の「琴さん」を編んであげた。大きいのと、小さなマスコットと1つずつ。

編みぐるみ作家タカモリ・トモコさんの
本を見て作った第一号くま

編みぐるみとは別に、子どもが幼稚園のころ、「暮らしの手帳」に出ていたアランニットに魅力を感じて、やってみた。
その記事は、昔のアラン諸島の漁師が水難にあった時の個人識別にセーターの編み目が役立ったことや、模様の一つひとつに意味があり、女の人達が寸暇を惜しんで祈るように編み物をしていた事などとても興味深いもので、仕上がりの素敵さもあってちょっとやってみたいな、と思ってしまった。
棒針編みはあまり経験がなく、編み図と編み方を一所懸命に見ながら、マフラーなどの小物からはじめて、翌年から、フィッシャーマンセーターにトライ。
ものすごく難しい、というものではないんだけど、とにかく大切なのは、焦らず、間違えないように丁寧に編む、ということ。これが、難しい。
うっかり間違えたまま先に進んでしまうと、模様がきれいに出ない。
やりなおすなら間違えた箇所までほどいて(編むのは大変なのに解くのは一瞬)戻って、もういちど針に糸を正しく掛けなおす。
これがものすごく手間で、ただ編むことの数倍の労力が必要。
だから、先を急がず、間違えないように一目ひと目確実に針を動かさなくてはならないの。
そのためには、リラックスして集中してること、欲張らないこと、サボらず、無理しないこと。
心が、鍛えられるよ。
がむしゃら、とか、誰かに勝つ、とかじゃない、自分だけの強さ。
男の人の無事を願って帰りを待った昔の女の人達の、実用と祈り、心の安定のためでもあったのかもしれない、少しだけ意味がわかった気がする。

で、あくまでも趣味として一日に編めるのが2~4段くらい。
前後身頃、両袖とあって、ひとパーツ編むのに一年(夏はやらないからワンシーズン)かかり、襟と綴じ接ぎとで二年、間に手をつけられない年もあり、多分7年越しくらいかかって今年ようやく編み上がりました。
これがまた暖かいし、身体にピタリと沿うのに伸びが良くて着心地が抜群。
修理もできるしこれは一生モノです。
これがあればセーターはもう買わなくていい!

先日編み上がったフィッシャーマン
後も同じ総柄です
次は誰かのために?
いや、はっきり言って、もうやらないと思う。出来ない。
時間がかかりすぎ。
機械編みの技術も上がって、そこそこの模様編みのセーターが4千円くらいで売ってたりするんだもん。まいっちゃう。材料費にもならない。

作業の値段を時給で換算すると、手仕事は仕事として成り立たない。

子どもが大人になるまでに一枚編んであげようかとも考えたけど、念がこもってうっとおしいよね、大事にしろー、とか言われたら迷惑だよね、と思ってやめた。

だけど、4千円のセーターを一生着ようとは思わないよね。多分着れないし。
そして、私が楽してる分、どこかの誰かが苦労してるかもしれない(安い毛糸の原料を提供する羊さんも含めて)。
考えどころかな、と思う。

それはともかく、趣味の編み物は楽しいし、心の安定にも良いみたい。少しだけ編むと心が落ち着く。
フィッシャーマンはもうやらないけど、次はカウチンセーターを編もうかな(野望!)
糸が太くて編み目が大きいから、そこまで時間はかからないかも(楽観!)

ではでは。

次回の青木マリLIVEは、
3・11(土)西荻窪「小料理HANA」にて
弾き語りワンマンです。
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